あらかじめだいたい決まっている情報を手早く入力する方法

バージョン:FileMaker Pro 18 Advanced

この記事では、FileMaker での選択肢の作り方について解説します。 入力作業って、時間がかかりますよね。 それを短縮するのが選択肢です。 「あらかじめだいたい決まっている情報」を選択肢として設定することで、データ入力にかかる時間を短くすることができます。

内容

  • 選択肢を使って手早く入力する
  • 選択肢の作り方

選択肢を使って手早く入力する

あらかじめだいたい決まっている情報とは?

f:id:tsumurashinya:20191023232257p:plain売店で扱っている商品のように、それほど頻繁に変更されるわけではないものを、「あらかじめだいたい決まっている情報」として、手早く入力する方法をご紹介します。 ここでは、仮に果物屋さんを例にとっていきます。

編集ボックスに毎回手入力するのは、手間がかかりすぎる

f:id:tsumurashinya:20191023201802p:plain 注文があった時に、その注文内容を入力するとします。 いつもいつも同じ内容を、注文のたびにいちいち手入力するのは面倒な作業になります。 しかも、うっかりの打ち間違いをしてしまい、そのまま気づかないこともあるかもしれません。

一覧から選択するだけの方が断然カンタンで速い

f:id:tsumurashinya:20191023201806p:plain こういう場合には、商品の情報をあらかじめ選択肢として用意し、データ入力時には選択するだけにしておくと便利です。 選択するだけなので、手入力するよりも素早く入力できますし、名称の統一もできます。

選択肢の作り方

「値一覧」の作り方

それでは、選択肢の作り方を見ていきましょう。f:id:tsumurashinya:20191023201840p:plain FileMakerでは、選択肢は「値一覧」というものを使います。 値一覧にはいくつか種類がありますが、ここでは、その値一覧の中でも「動的な値一覧」というものの作成方法をご紹介します。 これは、選択肢用のテーブルを作り、値一覧でそれを参照するもので、あとで選択肢名を変更してもデータの一貫性が保つことができるなど、柔軟性が高いためおすすめです。

「動的な値一覧」の作り方

まず、選択肢用のテーブルを作成します。f:id:tsumurashinya:20191023230044p:plain 1. テーブルには選択肢を識別するための値欄(キーフィールド)と、選択肢の名称欄(名称フィールド)を用意してください。選択肢のデータを入力していきます。 キーフィールドの値は被らないように注意してください。

次に、作成した選択肢テーブルを値一覧として使用するための設定をしますf:id:tsumurashinya:20191023201819p:plain 2. 「ファイル」-「管理」-「値一覧...」を選択します
3. 「値一覧の管理」というウィンドウが表示されますので、「新規...」をクリックします。
4. 「値一覧の編集」というウィンドウが表示されますので、「値一覧名」に名称を入力し、5. 「フィールドの値を使用」を選択します。

f:id:tsumurashinya:20191023201823p:plain 6. 「最初のフィールドの値を使用」で値一覧に使用するテーブルを指定し、7. テーブルの中で値として使用するフィールド(キーフィールド)を選択します。8. 「2番目のフィールドの値も表示」にチェックを入れ、9. ここで名称フィールドを選択します。10. 「2番目のフィールドの値のみを表示」を選択肢、11. 「OK」をクリック、
12. 再度「OK」をクリックしてウィンドウを閉じます。

レイアウトに入力フィールドを作成します。
f:id:tsumurashinya:20191023213703p:plain 13. 上部のツール群から「ラジオボタンセット」を選びます。
14. ラジオボタンセットを配置したい範囲でドラッグさせます。
15. 「フィールド指定」ウィンドウが開きますので、データとして使用するフィールドを選択し、16. 「OK」をクリックします。
f:id:tsumurashinya:20191023214400p:plain 17. 右側にあるインスペクタで最右の「データ」タブを選び、18. コントロールスタイルを「ラジオボタンセット」、19. 値一覧で使用する値一覧を選びます。
20. これで、商品を選択できるようになりました。

選択肢を変更する必要が出てきたときには

f:id:tsumurashinya:20191023201832p:plainたとえば商品名を後で変更することになったとしても、選択肢テーブルの名称フィールドを変更すれば、自動的に反映されます。 データとして保存されるのは1番目のキーフィールドのみのため、2番目の名称フィールドを後で変更したとしても、データ上は問題になることはありません。

選択肢の付随情報を表示させる

f:id:tsumurashinya:20191023230104p:plain選択肢の情報を表示させることも可能です。 たとえば選択した商品の価格を表示させている場合、選択を変更すれば、それに合わせて表示も変わります。

まとめ

この記事では、選択肢としての値一覧の作り方、さらにリレーションを利用した値一覧の作り方までを解説しました。 値一覧は入力作業を手早く行うのに便利なアイテムです。 皆さんが値一覧を活用するにあたって、この記事が参考になれば幸いです。